バウハウスの織物工房

バウハウスの各分野を詳細に紹介した(日本語の)本というのは、本当に少ないのです。織物工房についても同じことが言えます。従って、さまざまな本から少しずつ情報を得るしかありません。ここに挙げた2冊の他にも1-2でご紹介したマグダレナ・ドロステ氏の『バウハウス』では、織物工房の活動の流れやバウハウスにおける女性の扱いが紹介されていますが、年代にそってかかれているため、織物工房についてもまとまって出てくるわけではありません。地道に頁を繰って探してみるのもまた楽しいものですよ。



4-1『バウハウスと茶の湯』
山脇道子著
新潮社:1995年
3,200円 ISBN:4-10-404201-3 C0070 絶版


バウハウスには3人の日本人が在籍しました(注)。建築家であった夫、山脇巌氏についてデッサウ・バウハウスに赴き、バウハウスで織物を学んだ山脇道子さんはその1人です。この本は、留学から六十余年を経た彼女の回想録です。
ドイツ語もわからず、造形教育の素養もなかった二十歳の日本人女性が、いきなり飛び込んだ全く未知の世界。山脇さんは慣れ親しんだ茶道の世界で育んだ感性でバウハウスの授業に順応していきます。様々なエピソードと記録写真、彼女の作品図版が豊富に掲載された、生き生きとした体験談です。

(注:デッサウ時代に学んだ水谷武彦氏、山脇巌氏、山脇道子氏の他に、ベルリンに移った私立のバウハウスの名簿には、大野玉枝氏の名前が記録されているが、彼女についての情報は余りに乏しく、詳細は現在判然としない)

4-2『bauhaus1919-1933 展覧会カタログ』
セゾン美術館 1995年 


90年以降に日本で開催されたバウハウス展のなかで群を抜いた規模をもった展覧会がセゾン美術館の「bauhaus1919-1933」でした。カタログも電話帳並みの分厚さで、特に論考が充実しています。これは、1988年にドイツで開催された「experiment bauhaus」展カタログ論文邦訳が載っているから。教育、工房活動、建築、絵画等について、ドイツのバウハウス研究者によるかなり詳しいテキストが掲載されています。
マグダレナ・ドロステ氏による織物工房の解説は、おそらく今日本で手に入る最も詳細なものでしょう。こちらも現在手に入りにくい本ですが、図書館(あるいはmbcにも)ありますので興味のある方は探してみて下さい。

Last Update : 2004/01/26