2020年9月29日〜11月23日

日系アメリカ人として生まれた写真家、石元泰博(1921―2012)は、バウハウスの元マイスター、ラースロー・モホイ=ナジが同校の精神を受け継いで1937年に新天地アメリカ・シカゴに開校した「ニュー・バウハウス」の後継となる「インスティチュート・オブ・デザイン」に1948年に入学。そこで学んだ造形感覚に導かれ、また、ハリー・キャラハンやアーロン・シスキンといった優れた教師たちと出会う中で写真家として頭角を現し、在学中に二度、モホイ=ナジ賞(学内賞)に選ばれています。

1952年に卒業。1953年、日本の写真と建築の調査を目的に来日(1969年に日本国籍を取得)。それを機に撮影した「桂離宮」の作品は高く評価され、1960年にはバウハウスの創設者グロピウスと建築家・丹下健三との共著として写真集『KATSURA―日本建築における伝統と創造』(造型社)が出版されます。また、1954年、桑沢デザイン研究所の開設にあたり写真の講師に、1962年には東京綜合写真専門学校の教授に、1966年には東京造形大学の教授に就任し、自らが学んだバウハウスに流れを汲む造形教育を日本に伝える役割も果たしました。

1950年代後半から2000年代にかけて数々の名作を発表し、日本の写真界に新風を吹き込むとともに日本を代表する国際的な作家として高く評価され、その業績に対し1996年には平成8年度文化功労者に選ばれました。

2021年の石元泰博生誕100年を祝し、東京都写真美術館、東京オペラシティ アートギャラリー、高知県立美術館の共同企画で石元泰博の多彩な仕事を過去最大のスケールで明らかにする展覧会が開催されます。開幕を飾る東京都写真美術館ではミッドキャリアから晩年の作品を「生命体としての都市」という視点で捉えて展示します。東京オペラシティ アートギャラリーでは、被写体に着目した「伝統と近代」を開催。その後、十代を過ごした高知県の高知県立美術館にて石元泰博の全貌を振り返る大回顧展を行います。

展覧会の詳細についてはこちらをご覧ください。

[開催スケジュール]

東京都写真美術館 2020 年 9 月 29 日(火)-11 月 23 日(月・祝)

東京オペラシティ アートギャラリー 2020 年 10 月 10 日(土)-12 月 20 日(日)

高知県立美術館   2021年 1月16日(土)- 3月14日(日)

 

▼展覧会概要

展覧会名   生誕100年 石元泰博写真展 生命体としての都市

会 期  2020年9月29日(火)-11月23日(月・祝)

場 所  東京都写真美術館 2階展示室

〒153-0062 東京都目黒区三田 1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内

開館時間 10:00-18:00 ※入館は閉館の30分前まで

休館日  毎週月曜日(ただし11月23(月・祝)は開館)

観覧料 一般700(560)、大学・専門学校生560(440)、中高生・65歳以上350(280)

※( )は東京オペラシティ アートギャラリーとの相互割引、当館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引、当館年間パスポートご提示者の料金(ご利用案内をご参照ください)

※小学生以下および都内在住・在学の中学生、障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料

◎新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、入場制限などを実施しているほか、諸般の事情により内容に変更が生じる場合がございます。ご来館のお客様は、事前に当館のホームページをご確認ください。▶︎ご来館の皆様へ

主催 東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会

協賛 ライオン、大日本印刷、損保ジャパン、日本テレビ放送網

共同企画 高知県立美術館、東京オペラシティ アートギャラリー

 

画像:  石元泰博 《シカゴ 街》 1959-61年 東京都写真美術館蔵 ©高知県, 石元泰博フォトセンター